悪いイメージのある『脂質』は、人にとって重要な役割を数多く持っている？〜働きと重要性を解説〜

１. 身体のエネルギー源として働く
脂質は、先ほども軽く出てきたように炭水化物やタンパク質に比べて多くのエネルギーを作り出します。
特に長時間の運動や飢餓状態など、エネルギーの需要が高まる状況下で重要となってくるエネルギー源となります。
つまり、脂質をカットし過ぎてしまうとエネルギーが足らなくなってしまったりしてしまうということなんです！

２.細胞膜の構成成分
脂質は、身体にある細胞の膜を作っている主要な構成成分になります。
この細胞膜は、主に「リン脂質」と呼ばれるもので構成されており、これによって細胞の形状を維持されます。
細胞の内と外とで物質のやり取りを行い、内部環境(細胞内部)を外部から隔離するバリア機能を果たす重要な役割を持っているため、
もし、この細胞膜がなくなってしまったり、壊れてしまったりすると細胞そのものが死んでしまうんです。
そのため、良質な脂質を適度に摂取していく事がとても大切になります。

３.ホルモンの合成
脂質は、ステロイドホルモン（例：性ホルモン、コルチゾール）やビタミンDの合成に不可欠です。
これらのホルモンというのは、成長、発育/発達、代謝、ストレス応答など、多くのものに関与しているため、
身体の健康においても脂質は大切な役割を担っているんです。

４. 脂溶性ビタミンの吸収補助
脂質は、ビタミンA、D、E、Kといった、抗酸化作用や骨形成など様々な役割を持つ脂溶性ビタミン群を身体に吸収させる上でとても大切なんです。

５.体温調節と保護
脂質は、皆さんのイメージとしてお持ちのように、「体脂肪」として身体に蓄えられます。
ただ、これらは全てが悪いものではなく、皮下脂肪は断熱材として体温を保持し、内臓脂肪は重要な臓器を衝撃から保護してくれるため、
脂質を摂ることはこういった観点からも大切なんです！

６. 脳と神経の機能
脂質は、意外に思われる方も多いと思いますが、脳と神経系においても大切な役割を持つんです。
特に「オメガ-3脂肪酸」は、脳の構造と機能、神経伝達の維持に重要な役割を果たし、脳の脂質バランスは認知機能や精神状態にも影響を与えるんです！

ここまで、「脂質の役割」について説明してきましたがいかがでしたでしょうか？
脂質は、エネルギー供給、細胞膜の構成、ホルモンの合成、脂溶性ビタミンの吸収、体温調節と保護、脳と神経の機能など、重要な役割を果たします。
そのため、バランスの取れた食事の中で、適切な量と種類の脂質を含めることが、健康を維持するためにとても重要になります。
ちなみに、1日の摂取目標量としては、30〜49歳で身体活動レベルが普通の方の場合、男女ともに1日のエネルギー量の20〜30％を目安に摂取できると
上記のような機能が正常に働き、健康的な身体づくりにつながりますので、日頃から食事を作ったり、食べたりする際に意識してみてください！